Short care
ショートケアとは
- 少人数のグループで行う心理プログラムです。
- 精神的な問題についての知識や対処などについて学びます。
- 1コマ3時間で、保険診療によって行われます。
- 複数の種類のプログラムがあります。一人ひとりの興味や関心に合わせて参加してください。
S・PACE
当院のショートケア
- 愛称は S・PACE(スペース)といいます。自分の居場所を見つけ、自分のペースで、自律的に一歩を踏み出して欲しいという願いを込めました。OASISの中の特別な空間(special space)です。
- 認知行動療法のアプローチに基づいたプログラムが中心になります。
- プログラムの人数は最大で8人(多くは数人~5人前後)と少人数制です。
- 本人の選択、決定、実行のプロセスを大切にします。
- 一人ひとりが求めるリカバリー・ゴールを目指します。
- プログラムは、午前または午後の3時間が一コマです。各プログラムは、特性に応じた個別活動や、同じような疾患・悩みを抱えた方々の小グループでできています。詳しくはこちら
- どのプログラムをどれだけ選ぶかはオーダーメードです。自分に合った内容、回数、頻度でプログラムを選びましょう。詳しくはこちら
ショートケアのご利用時間
月~木
午前 9:00~12:00 ※ 8:45より入室可
午後 1:15~ 4:15 ※ 1:00より入室可
金
午前 9:30~12:30 ※ 9:15より入室可
※昼食の提供はございません
Target person
対象となる方の要件
- 当院で通常診療を受けている、もしくは当院の連携専門医から紹介され、当院医師が必要と判断
- 病状がある程度落ち着き、安静を保てる
- ショートケア参加日以外に医師の通常診察を定期的に受けることが可能
- 平日に定期的な通所が可能
- グループでのプログラムに参加可能
- スタッフや他の参加者と協調的に活動できる
recommend
こんな方にお勧めです
- 不安やうつの改善に役立つ方法を学びたい
- 考え方や行動のクセやこだわり改善したい
- 発達症の特性や対処法を学びたい
- 自分の精神疾患の問題について理解を深めたい
- 復学/就学や復職/就業を目指したい
- 人付き合いのスキルを高めたい
- 生活リズムや生活習慣を改善したい
flow
参加までの流れ
1. 事前相談
- 当院医師の診察においてショートケアへの参加を相談
-
スタッフによるインテイク面接:ショートケアの説明とプログラムの相談
※診察とは別に、事前に予約を行った上で行います。 - プログラム見学(可能な場合、必要に応じて)
2. 参加申込みと準備
- 医師の許可を得た上で参加申請
- ショートケアでの治療計画の策定と同意書のご提出
3. 参加
- 実際のプログラム参加
price
参加費用
3割負担の場合
およそ1,110円~/回
1割負担の場合
およそ370円~
プログラムの内容によって料金が異なります。
詳細はお問い合わせください。
combination
プログラムの選択と組み合わせ(2022.4.1~)
- 「1週間のプログラムの例」にあるように、通常は1週間に9コマのプログラムが組まれています。
- プログラムは随時更新されます。
- 利用者の方が取り組みたい課題に応じてプログラムを選択します。
- 1日に選択できるプログラムは午前か午後の1つが原則です。
- 1週間で選択できるプログラムは最大5コマですが、多くの方は週1~2コマで利用しています。
1週間のプログラムの例(現在行われている、実際のプログラムとは異なります)
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 |
AM 9:00~12:00 |
うつのメタ認知 トレーニング |
こころみ | 社交不安 ベーシック |
コミュニケーション・サプリ |
PM 1:15~4:15 |
こころみ | 不安ベーシック | はぐみ | CBT-サプリ |
診療 時間 |
AM 9:00~12:00 |
PM 1:15~4:15 |
月 | うつのメタ認知 トレーニング |
こころみ |
火 | こころみ | 不安ベーシック |
水 | 社交不安 ベーシック |
はぐみ |
木 | コミュニケーション・サプリ | CBT-サプリ |
※外来休診日は、ショートケアもお休みになります。
※参加状況などの都合により、プログラムは変更になることがあります。
program
個別のプログラムの紹介
主にうつや不安の治療に関連するプログラム
“うつ”のメタ認知トレーニング(D-MCT)
- うつに典型的な考え方のクセを掘り下げて検討します。
- この治療では、特に、自分の「考え」についての『考え』、に注目します。
- 写真やイラスト、クイズなどを取り入れて、グループ形式で学びます。
- ドイツ・ハンブルク大学のレナ・イェリネク教授らによって開発され、研究によりうつ病への効果が確認されています。
不安ベーシック
- 不安の認知行動的アプローチの基礎を学びます。
- 不安のメカニズムや対処についてCBT(認知行動療法)の要素を盛り込み、体系的に学びます。
- 全般不安症、社交不安症、パニック症、広場恐怖症など、不安の問題で困っている方に役立ちます。
- 感情体験を身体・行動・認知の3要素に分けて、それぞれを再評価をすることで、不安に圧倒されずに対処しやすくなることを体験します。
- つい避けてしまう感情や、強い不快な感情につられてとってしまう行動パターンを特定し、つらい悪循環から抜け出すきっかけを見つけます。
社交不安ベーシック
- 社交不安についての認知行動的アプローチの基礎を学びます。
- 社交不安症(SAD)のメカニズムや対処についてCBT(認知行動療法)の要素を盛り込み、体系的に学びます。
- 対人不安を避けるための安全保障行動や、自分への注目が高まることで起こる不安反応について理解を深め、対処法について学んでいきます。
- 苦手な社交場面の前にしてしまう悪い予想や、事後にしてしまう考え込みのメリットとデメリットについても考えていきます。
コミュニーション・サプリ
- 「対人不安や緊張で困っている」、「人とのコミュニケーションが苦手」な方のためのプログラムです。
- 社会スキルトレーニング(SST)の要素を盛り込み、「人前で話す」、「断りづらい相手からの提案を断る」、「自分の意見と相手の意見を尊重する」などの社会生活における対人スキルを実践的に身につけます。
- 対人不安や緊張などの社交不安のメカニズムや対処について対人不安を避けるための安全保障行動、自分への注目、苦手な社交場面の前の悪い予想、事後にしてしまう考え込みなど、CBT(認知行動療法)の要素を採り入れて学んでいきます。
CBT-サプリ
- CBT(認知行動療法)のモデルに沿って、心のしくみを「認知(考え)」「行動」「感情」を分けて把握し、これらをコントロールするためのスキルを学びます。
- ストレスとトの付き合い方を学ぶ「ストレスマジメント」、ポジティブ活動を増やすコツを学ぶ「行動活性化」、さまざまな困りごとの解決を学ぶ「問題解決技法」、怒りとの付き合い方を学ぶ「アンガーマネジメント」、リラクゼーションやマインドフルネスなどのプログラムがあります。
POSIT講座
- こころの回復(リカバリー)を目指す、リカバリーを目指す認知療法(CT-R)を参考にしたプログラムです。
- 一人ひとりがポジティブなモードを体験し、その意味や価値を共有できるようにします。
- ポジティブなモードを繰り返し体験できるように、一人ひとりの夢や目標、希望、望んでいる生き方が見つかるような方法を検討します。
- グループ形式で2回を1クールで実施します。
コンパス
- “ありのままの自分”を受け入れたり、自分を安心させることが上達することで、自分を思いやること(セルフ・コンパッション)ができるようになることを目指します。
- 自分に厳しい、失敗を許せない、自分を好きになれないなどの特徴があり、落ちこんだり、イライラしたり、恐怖感や不安感などで悩む方に向けられたプログラムです。
- グループ形式で6回を1クールで実施します。
主に神経発達症の特性に関連するプログラム
こころみ for ADHD
- ADHD(注意欠如・多動症)の方のためのプログラムです。
- 時間マネジメント、整理整頓のシステム作り、計画実行などのセルフマネジメント力を、CBTアプローチで改善していきます。
- グループ形式で、10回を1クールで実施します。
- マウントサイナイ医療センターで開発されたプログラムに基づいています。
- こころ(kokoro)と自分(me)を理解し、学んだ知識やスキルを試み(kokoro-me)るのがコンセプト。
はぐみ for ASD
- 自閉症スペクトラム(ASD)/アスペルガー症の傾向のある方向けのプログラムです。
- ASDに関連したコミュニケーションの課題や、こだわりの課題に取り組むことで、人との関わりや社会生活に役立つスキルを身に着けていきます。
- グループ形式で、10回を1クールで実施します。
- 昭和大学発達障害医療研究所作成で作成された成人期の自閉症スペクトラムのためのプログロムを参考にしています。
- 自分(me)の特性を理解し、いたわり(hug)、学んだ知識やスキルを使って自分(me)をはぐ(hug)くむことがコンセプト。